FPDの大型基板製造とは?――たわみ・搬送・面内均一性をどう管理するか

FPD大型Glass基板の世代、面取り、搬送、真空、成膜、露光、エッチング、温度、検査に固有の課題を説明する。

公開 2026/8/28 確認 2026/8/28 読了 10分 入門 執筆: 知識図書館 編集部

この記事の結論

  • FPDは大型で薄いGlass基板を扱い、一枚から複数Panelを切り出す
  • 基板が大きいほどたわみ、割れ、搬送、温度、膜厚、寸法の均一化が難しい
  • 大型化の目的は生産性向上だが、装置投資と歩留まりを含めて評価する

まず結論

FPD製造では、非常に大きく薄いGlass基板上へTFTと配線を作り、一枚から複数のDisplay Panelを切り出します。

基板を大きくすると面積利用と生産性を高められますが、たわみ、割れ、搬送、温度差、膜厚差、露光位置、薬液・Gas流れなどを全面で揃えることが難しくなります。

大型ガラス基板が自重でたわみ、中央と端でガス、温度、膜厚、プラズマ、排気、薬液条件に差が生じることを示す図
図1 大型Glassでは、たわみを抑えて搬送しながら中央から端まで加工条件を揃える

基板世代とは

G6、G8.5などの世代は、一般にMother Glassの寸法区分を表します。ただし、同じ世代表記でもメーカーや設備で厳密な寸法が異なる場合があります。

代表的な基板寸法は次のとおりです。縦横の呼び方は資料によって入れ替わるため、ここでは短辺 × 長辺で示します。

世代代表的なMother Glass寸法(mm)面積の目安主な位置づけ
G1約300 × 400約0.12 m²初期の小型基板
G2約370 × 470約0.17 m²小型Display
G3約550 × 650約0.36 m²Notebookなど
G4約680 × 880約0.60 m²Monitor向けなど
G4.5約730 × 920約0.67 m²中小型Panel
G5約1,100 × 1,250約1.38 m²Monitor・中型TV
G5.5約1,300 × 1,500約1.95 m²中小型Panelの量産など
G6約1,500 × 1,800約2.70 m²Smartphone・Tablet・Notebook用OLEDなど
G7約1,870 × 2,200約4.11 m²TV用LCDなど
G7.5約1,950 × 2,250約4.39 m²TV用LCDなど
G8約2,160 × 2,460約5.31 m²大型TV用LCD
G8.5約2,200 × 2,500約5.50 m²大型TV用LCDの代表的世代
G8.6約2,250 × 2,600約5.85 m²TV・IT向け。ラインにより寸法差がある
G10約2,880 × 3,130約9.01 m²大型TV向け
G10.5約2,940 × 3,370約9.91 m²65~75型級TVの多面取り

この表は世代を理解するための代表値です。「G8.x」のような呼称や実際に投入できる最大基板寸法は、Panelメーカー、Glassメーカー、製造ライン、装置仕様によって異なります。設備を比較するときは、世代名だけで判断せず、基板の実寸、厚さ、搬送方向、有効加工領域を確認する必要があります。

重要なのは数字の大小だけでなく、目的のPanel Sizeを何枚効率よく配置できるかです。

例えばG10.5は、基板の取り方や製品設計にもよりますが、65型を8枚または75型を6枚配置できる大きさとして説明されます。基板を大きくする目的は、単に大きな画面を作ることではなく、狙うPanel Sizeを無駄なく並べて一回の処理量を増やすことです。

たわみと搬送

Glassは自重でたわみます。Robot FingerやRoller、Air浮上、真空吸着などを使い、接触傷、Particle、振動、位置ずれ、割れを抑えて搬送します。

真空装置では大気と真空の間を移動するLoad Lock、基板を支持するStage、静電気、急激な圧力変化にも注意します。

大面積の均一性

工程揃える対象
成膜膜厚、組成、抵抗、応力
露光Focus、Dose、線幅、Overlay、Stitch
EtchingEtch Rate、CD、Taper、残渣
洗浄薬液濃度、温度、流れ、乾燥
熱処理温度、時間、基板伸縮
検査検出感度、位置精度、全面Scan時間

装置中央と端、Gas入口と排気側、搬送方向などで条件差が生じるため、HardwareとRecipeの両方で補正します。

温度と寸法

Glassは温度で膨張・収縮します。大型基板では小さな温度差でも位置ずれが大きくなるため、装置内温度、待機時間、基準座標、Mask補正を管理します。

急激な加熱・冷却は熱応力と割れの原因になります。膜とGlassの熱膨張差は反りや剥離にも影響します。

真空とPlasma

大型CVD・Dry Etching装置では広い電極間へPlasmaを均一に作る必要があります。RF電界、Gas分布、排気Conductance、基板との距離、壁面状態が面内分布へ影響します。

電極が大きくなると高周波を単純な一様電圧として扱えず、定在波や位相差が問題になる場合があります。

歩留まりと検査

一枚のMother Glassには複数Panelが配置されます。欠陥の位置と大きさにより、失うPanel数が変わります。高速な全面検査、欠陥分類、Repair、工程へのFeedbackが重要です。

大型化は一度に処理できる面積を増やしますが、設備費、材料損失、装置停止時の影響も大きくなります。総合的なCostと歩留まりで評価します。

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参考資料

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