FPDの大型基板製造とは?――たわみ・搬送・面内均一性をどう管理するか
FPD大型Glass基板の世代、面取り、搬送、真空、成膜、露光、エッチング、温度、検査に固有の課題を説明する。
この記事の結論
- FPDは大型で薄いGlass基板を扱い、一枚から複数Panelを切り出す
- 基板が大きいほどたわみ、割れ、搬送、温度、膜厚、寸法の均一化が難しい
- 大型化の目的は生産性向上だが、装置投資と歩留まりを含めて評価する
まず結論
FPD製造では、非常に大きく薄いGlass基板上へTFTと配線を作り、一枚から複数のDisplay Panelを切り出します。
基板を大きくすると面積利用と生産性を高められますが、たわみ、割れ、搬送、温度差、膜厚差、露光位置、薬液・Gas流れなどを全面で揃えることが難しくなります。
基板世代とは
G6、G8.5などの世代は、一般にMother Glassの寸法区分を表します。ただし、同じ世代表記でもメーカーや設備で厳密な寸法が異なる場合があります。
代表的な基板寸法は次のとおりです。縦横の呼び方は資料によって入れ替わるため、ここでは短辺 × 長辺で示します。
| 世代 | 代表的なMother Glass寸法(mm) | 面積の目安 | 主な位置づけ |
|---|---|---|---|
| G1 | 約300 × 400 | 約0.12 m² | 初期の小型基板 |
| G2 | 約370 × 470 | 約0.17 m² | 小型Display |
| G3 | 約550 × 650 | 約0.36 m² | Notebookなど |
| G4 | 約680 × 880 | 約0.60 m² | Monitor向けなど |
| G4.5 | 約730 × 920 | 約0.67 m² | 中小型Panel |
| G5 | 約1,100 × 1,250 | 約1.38 m² | Monitor・中型TV |
| G5.5 | 約1,300 × 1,500 | 約1.95 m² | 中小型Panelの量産など |
| G6 | 約1,500 × 1,800 | 約2.70 m² | Smartphone・Tablet・Notebook用OLEDなど |
| G7 | 約1,870 × 2,200 | 約4.11 m² | TV用LCDなど |
| G7.5 | 約1,950 × 2,250 | 約4.39 m² | TV用LCDなど |
| G8 | 約2,160 × 2,460 | 約5.31 m² | 大型TV用LCD |
| G8.5 | 約2,200 × 2,500 | 約5.50 m² | 大型TV用LCDの代表的世代 |
| G8.6 | 約2,250 × 2,600 | 約5.85 m² | TV・IT向け。ラインにより寸法差がある |
| G10 | 約2,880 × 3,130 | 約9.01 m² | 大型TV向け |
| G10.5 | 約2,940 × 3,370 | 約9.91 m² | 65~75型級TVの多面取り |
この表は世代を理解するための代表値です。「G8.x」のような呼称や実際に投入できる最大基板寸法は、Panelメーカー、Glassメーカー、製造ライン、装置仕様によって異なります。設備を比較するときは、世代名だけで判断せず、基板の実寸、厚さ、搬送方向、有効加工領域を確認する必要があります。
重要なのは数字の大小だけでなく、目的のPanel Sizeを何枚効率よく配置できるかです。
例えばG10.5は、基板の取り方や製品設計にもよりますが、65型を8枚または75型を6枚配置できる大きさとして説明されます。基板を大きくする目的は、単に大きな画面を作ることではなく、狙うPanel Sizeを無駄なく並べて一回の処理量を増やすことです。
たわみと搬送
Glassは自重でたわみます。Robot FingerやRoller、Air浮上、真空吸着などを使い、接触傷、Particle、振動、位置ずれ、割れを抑えて搬送します。
真空装置では大気と真空の間を移動するLoad Lock、基板を支持するStage、静電気、急激な圧力変化にも注意します。
大面積の均一性
| 工程 | 揃える対象 |
|---|---|
| 成膜 | 膜厚、組成、抵抗、応力 |
| 露光 | Focus、Dose、線幅、Overlay、Stitch |
| Etching | Etch Rate、CD、Taper、残渣 |
| 洗浄 | 薬液濃度、温度、流れ、乾燥 |
| 熱処理 | 温度、時間、基板伸縮 |
| 検査 | 検出感度、位置精度、全面Scan時間 |
装置中央と端、Gas入口と排気側、搬送方向などで条件差が生じるため、HardwareとRecipeの両方で補正します。
温度と寸法
Glassは温度で膨張・収縮します。大型基板では小さな温度差でも位置ずれが大きくなるため、装置内温度、待機時間、基準座標、Mask補正を管理します。
急激な加熱・冷却は熱応力と割れの原因になります。膜とGlassの熱膨張差は反りや剥離にも影響します。
真空とPlasma
大型CVD・Dry Etching装置では広い電極間へPlasmaを均一に作る必要があります。RF電界、Gas分布、排気Conductance、基板との距離、壁面状態が面内分布へ影響します。
電極が大きくなると高周波を単純な一様電圧として扱えず、定在波や位相差が問題になる場合があります。
歩留まりと検査
一枚のMother Glassには複数Panelが配置されます。欠陥の位置と大きさにより、失うPanel数が変わります。高速な全面検査、欠陥分類、Repair、工程へのFeedbackが重要です。
大型化は一度に処理できる面積を増やしますが、設備費、材料損失、装置停止時の影響も大きくなります。総合的なCostと歩留まりで評価します。
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参考資料
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