OLEDとは?――画素自体が発光する有機ELディスプレイ

OLEDの発光原理、TFT Backplane、発光層、電極、封止、RGB形成方式、長所短所を説明する。

公開 2026/8/28 確認 2026/8/28 読了 9分 入門 執筆: 知識図書館 編集部

この記事の結論

  • OLEDは有機発光層へ電流を流し、各Subpixel自体を発光させる
  • Backlightが不要で高Contrast・薄型化に向く
  • 発光材料の劣化、水分・酸素を防ぐ封止、電流均一性が重要

まず結論

OLEDはOrganic Light-Emitting Diodeの略です。各Subpixelへ配置した有機発光材料に電流を流し、画素自体を発光させます。日本語では有機EL Displayとも呼ばれます。

発光を止めれば黒を表示できるため、高いContrastを得やすく、Backlightが不要なので薄型・Flexible構造にも向きます。

TFT基板、下部電極、有機発光層、上部電極、封止を積層し、赤緑青の各サブピクセルが自ら発光するOLED構造
図1 OLEDはTFTが有機発光層へ流す電流を制御し、各Subpixelを発光させる

発光の仕組み

陽極と陰極から正孔と電子を有機層へ注入します。両者が発光層で再結合すると励起状態が生じ、基底状態へ戻る際に光を放出します。

実際のOLEDは発光層だけでなく、正孔注入・輸送層、電子注入・輸送層など複数の薄膜を積層します。

TFT Backplane

Active Matrix OLEDでは各SubpixelのTFT回路が発光電流を制御します。LCDが主に液晶へ加える電圧を保持するのに対し、OLEDでは明るさに対応した電流を安定して流す必要があります。

TFTのしきい値電圧や移動度のばらつきは明るさむらにつながるため、補償回路や駆動方法が使われます。

色を作る方式

  • RGB蒸着:Red、Green、Blueの発光材料をSubpixelごとに形成
  • White OLED+Color Filter:白色発光をFilterで色分け
  • Blue OLED+色変換:青色光をQuantum Dotなどで変換

方式により、材料利用効率、微細化、大型化、寿命、色純度が異なります。

メリット

  • 黒表示で発光を止められ、高Contrast
  • 応答が速い
  • Backlight不要で薄型化しやすい
  • 曲面・折り曲げ可能な構造を作れる
  • 画面内容によって消費電力を下げられる場合がある

デメリット

有機材料は使用時間、温度、発光強度によって劣化します。色ごとに劣化速度が異なると、色変化や焼き付きが生じます。

水分と酸素に弱いため、高性能な封止が必要です。高輝度な全面白表示では消費電力と発熱が大きくなる場合があります。

Flexible OLED

GlassではなくPolyimideなどのFlexible基板を使い、薄膜封止を組み合わせます。曲げられる一方、製造中はCarrier Glassで支持し、最後に剥離する工程や、中性面・曲げ応力の設計が必要です。

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