PVDとは?――材料を物理的に飛ばして薄膜を作る

PVDの基本原理、スパッタと真空蒸着の違い、真空・飛翔粒子・膜質・Step Coverageを解説する。

公開 2026/9/1 確認 2026/9/1 読了 8分 中級 執筆: 知識図書館 編集部

まず結論

PVD(Physical Vapor Deposition)は、固体材料を蒸発・衝突などの物理的手段で気相へ出し、基板上へ堆積させる成膜技術群です。

代表的なのがVacuum EvaporationとSputteringです。

真空蒸着

材料を加熱し、蒸発した原子・分子を真空中で基板へ飛ばします。真空にする大きな理由の一つは、飛翔粒子が気体分子と頻繁に衝突せず基板へ到達できるようにすることです。

Sputtering

ArなどのPlasmaを作り、IonをTargetへ衝突させます。Target表面から叩き出された原子が基板へ到達し膜になります。

「Plasmaが基板を削るEtching」と似た言葉が出ますが、Sputtering成膜では主目的がTarget材料を飛ばして基板へ積むことです。

真空蒸着では下側の材料を加熱して蒸発粒子を上側の基板へ飛ばし、SputteringではArイオンをTargetへ衝突させて叩き出したTarget原子を基板へ堆積させる違い
図1 真空蒸着とSputteringは、固体材料を気相へ出す方法が異なる
比較真空蒸着Sputtering
材料を飛ばす力熱で蒸発させるAr Ionの衝突で叩き出す
主な雰囲気高真空Arなどを導入した低圧Plasma
飛翔粒子比較的低Energy蒸着より高Energyになりやすい
特徴構成が比較的単純、高い成膜速度を得やすい密着性・膜厚制御・合金や化合物への適用性
主な管理点蒸発速度、Source温度、材料飛散Target Power、圧力、Erosion、Particle

どちらも、飛んできた粒子が基板表面へ付着して膜を作ります。CVDのように「基板表面で原料Gasを化学反応させること」が成膜の中心ではありません。ただし、Reactive SputteringのようにO₂やN₂を導入し、飛翔材料と反応させて酸化膜・窒化膜を作る方式もあります。

なぜ金属膜で使われる?

Al、Ti、Cu系、Barrier/Seedなど多くの材料を形成できます。Target材料を利用でき、膜厚制御や量産性とのバランスがよいため広く使われます。

Line-of-Sightの問題

PVDでは粒子の飛翔方向が比較的強く影響するため、深いHoleや高Aspect Ratio構造の側壁・底部へ均一に届きにくい場合があります。

これがCVD/ALDとの大きな違いの一つです。

装置パラメータ

  • Base Pressure
  • Process Pressure
  • Ar Flow
  • Target Power
  • DC / RF
  • Target-Substrate Distance
  • Substrate Temperature
  • Magnetic Field
  • Deposition Time

SputterではTarget ErosionやParticleも量産上の重要課題です。

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