Chipletとは?――機能別の小さなチップを組み合わせる設計

Chipletの考え方、Monolithic ICとの違い、Die分割、接続、利点と設計・試験・熱・標準化の課題を説明する。

公開 2026/8/28 確認 2026/8/28 読了 9分 入門 執筆: 知識図書館 編集部

この記事の結論

  • Chipletは大きなICを機能別の複数Dieへ分割し、Package内で一つのSystemとして接続する
  • 各機能へ適したProcessを使い、Die再利用や歩留まり改善を狙える
  • Die間Interface、電力、熱、試験、組合せ歩留まり、供給者間の互換性が重要

まず結論

Chipletは、従来なら一つの大きなDieへ載せていた機能を複数の小さなDieへ分け、Package内で高密度接続して一つのSystemとして動かす考え方です。

単に複数のチップを同じ基板へ載せるだけでなく、Die間を広帯域・低遅延・低電力で接続し、設計上も一体の製品として扱うことが中心です。

CPU、GPU、I/O、Memoryの機能別チップを一つのパッケージ内でDie-to-Die接続するChiplet構成図
図1 Chipletは機能別DieをPackage内の高速Interfaceで接続し、一つのSystemとして動かす

Monolithic ICとの違い

項目Monolithic ICChiplet
集積一つのDie複数Die
Process原則として共通機能ごとに選べる
Die面積大きくなりやすい分割できる
接続On-Chip配線Package内Die-to-Die接続
主な課題大面積歩留まり、Reticle限界接続、Package、試験、熱、標準化

なぜ分割するのか

CPU Coreは先端Process、I/OやAnalogは成熟Process、Memoryは専用Processというように、機能ごとに適した製造技術が異なります。

大きなDieを分割すると、一つの欠陥で失う面積を小さくでき、同じChipletを複数製品へ再利用できる可能性があります。製品規模をChipletの個数で変える設計もできます。

どう接続するか

Organic Package基板、Silicon Interposer、Bridge、Fan-Out RDL、3D積層などを使います。接続方法によってBandwidth、Latency、Energy per Bit、配線密度、Costが変わります。

Die-to-Die Interfaceでは、物理接続だけでなくProtocol、Clock、Error処理、Test、管理機能まで設計します。

メリット

  • 機能ごとに適したProcess Nodeや材料を使える
  • 大面積Dieより歩留まりを改善できる場合がある
  • 設計資産を再利用し、製品展開を広げやすい
  • Reticle寸法を超えるSystemを構成できる
  • 異なる会社のDieを組み合わせる可能性がある

デメリットと課題

Die間通信はOn-Chip配線より電力・遅延が増えます。Package配線、電源供給、Clock同期、熱分布、機械応力をSystem全体で設計する必要があります。

良品Dieをそろえて組み立てるKnown Good Die、接合後のTest、故障箇所の切り分け、複数供給者間の責任分界も重要です。分割すれば必ず安くなるわけではなく、Package Costとの比較が必要です。

2.5D・3Dとの関係

Chipletは設計・製品分割の考え方で、2.5Dや3Dは主に実装構造です。Chipletを2.5D Interposer上へ並べる、3Dで積む、Fan-Out RDLで接続するなど、複数の実装方法を選べます。

次に読む

関連する記事