Chipletとは?――機能別の小さなチップを組み合わせる設計
Chipletの考え方、Monolithic ICとの違い、Die分割、接続、利点と設計・試験・熱・標準化の課題を説明する。
この記事の結論
- Chipletは大きなICを機能別の複数Dieへ分割し、Package内で一つのSystemとして接続する
- 各機能へ適したProcessを使い、Die再利用や歩留まり改善を狙える
- Die間Interface、電力、熱、試験、組合せ歩留まり、供給者間の互換性が重要
まず結論
Chipletは、従来なら一つの大きなDieへ載せていた機能を複数の小さなDieへ分け、Package内で高密度接続して一つのSystemとして動かす考え方です。
単に複数のチップを同じ基板へ載せるだけでなく、Die間を広帯域・低遅延・低電力で接続し、設計上も一体の製品として扱うことが中心です。
Monolithic ICとの違い
| 項目 | Monolithic IC | Chiplet |
|---|---|---|
| 集積 | 一つのDie | 複数Die |
| Process | 原則として共通 | 機能ごとに選べる |
| Die面積 | 大きくなりやすい | 分割できる |
| 接続 | On-Chip配線 | Package内Die-to-Die接続 |
| 主な課題 | 大面積歩留まり、Reticle限界 | 接続、Package、試験、熱、標準化 |
なぜ分割するのか
CPU Coreは先端Process、I/OやAnalogは成熟Process、Memoryは専用Processというように、機能ごとに適した製造技術が異なります。
大きなDieを分割すると、一つの欠陥で失う面積を小さくでき、同じChipletを複数製品へ再利用できる可能性があります。製品規模をChipletの個数で変える設計もできます。
どう接続するか
Organic Package基板、Silicon Interposer、Bridge、Fan-Out RDL、3D積層などを使います。接続方法によってBandwidth、Latency、Energy per Bit、配線密度、Costが変わります。
Die-to-Die Interfaceでは、物理接続だけでなくProtocol、Clock、Error処理、Test、管理機能まで設計します。
メリット
- 機能ごとに適したProcess Nodeや材料を使える
- 大面積Dieより歩留まりを改善できる場合がある
- 設計資産を再利用し、製品展開を広げやすい
- Reticle寸法を超えるSystemを構成できる
- 異なる会社のDieを組み合わせる可能性がある
デメリットと課題
Die間通信はOn-Chip配線より電力・遅延が増えます。Package配線、電源供給、Clock同期、熱分布、機械応力をSystem全体で設計する必要があります。
良品Dieをそろえて組み立てるKnown Good Die、接合後のTest、故障箇所の切り分け、複数供給者間の責任分界も重要です。分割すれば必ず安くなるわけではなく、Package Costとの比較が必要です。
2.5D・3Dとの関係
Chipletは設計・製品分割の考え方で、2.5Dや3Dは主に実装構造です。Chipletを2.5D Interposer上へ並べる、3Dで積む、Fan-Out RDLで接続するなど、複数の実装方法を選べます。
次に読む
関連する記事
2.5Dパッケージとは?――インターポーザー上で複数チップを高密度接続する
2.5D実装の構造、インターポーザー、Micro Bump、HBMとの関係、長所短所を説明する。
3D実装とは?――半導体チップを縦方向へ積層する技術
3D半導体実装の基本構造、積層方法、TSV、Hybrid Bonding、利点と熱・歩留まり・検査の課題を説明する。
FOWLPとは?――チップ外側へ再配線を広げるFan-Out技術
Fan-Out Wafer Level Packagingの再構成ウェハ、RDL、製造工程、長所短所、WLPとの違いを説明する。
ICとは?――トランジスタと配線を一つのチップへ集積する
ICと半導体チップの関係、集積回路の構成、アナログ・デジタル・混載IC、製造とパッケージを説明する。
TSVとは?――シリコンを貫通して上下の回路をつなぐ配線
Through-Silicon Viaの構造、形成工程、Via-First・Middle・Last、利点と応力・絶縁・歩留まりの課題を説明する。
ガラスインターポーザーとは?――大型・低損失な中間配線基板
ガラスを用いたインターポーザーの構造、TGV、電気・寸法上の特徴、SiliconやOrganic基板との違いを説明する。