トランジスタとは?――小さな信号で電流を制御するスイッチと増幅器

トランジスタの役割を、スイッチ、増幅、BJTとFETの違い、ICとの関係から入門向けに説明する。

公開 2026/8/28 確認 2026/8/28 読了 8分 入門 執筆: 知識図書館 編集部

この記事の結論

  • トランジスタは入力によって大きな電流を制御する三端子の半導体素子
  • デジタル回路ではスイッチ、アナログ回路では増幅や電流制御に使う
  • 代表的な系統にBJTとFETがある

まず結論

トランジスタは、小さな入力で別の電流を制御する半導体素子です。デジタル回路ではオン・オフするスイッチとして、アナログ回路では信号を増幅・制御する素子として働きます。

三つの端子

トランジスタは一般に三つの端子を持ちます。ただし名称と制御方法は種類によって異なります。

種類端子主な制御
BJTBase、Collector、EmitterBase電流でCollector電流を制御
FETGate、Drain、SourceGate電圧でDrain電流を制御

入力端子へ加えた小さな変化が、出力側の大きな電流変化になります。

スイッチとして使う

トランジスタを十分にオフさせた状態を「0」、オンさせた状態を「1」に対応させると、論理演算ができます。多数のトランジスタを組み合わせた論理ゲートが、CPUなどのデジタル回路を構成します。

実際のスイッチにはオン抵抗、漏れ電流、切り替え時間、充放電損失があります。高速化と低消費電力化は、単にトランジスタを小さくするだけでは達成できません。

増幅器として使う

入力の小さな電圧や電流変化を、出力の大きな変化へ変換できます。マイクの信号を大きくする、センサー出力を読み取れる大きさへ変える、高周波信号を増幅するなどの用途があります。

増幅では動作点、利得、周波数帯域、ノイズ、歪み、温度変化が重要です。

BJTとは

BJTはnpnまたはpnpの半導体領域からなり、電子と正孔の両方が動作に関与するためバイポーラトランジスタと呼ばれます。電流駆動型として説明されることが多く、高い相互コンダクタンスを生かしたアナログ回路などで使われます。

FETとは

FETは電界によって電流経路の状態を変える電界効果トランジスタです。入力電流を小さくしやすく、特にMOSFETは大規模ICと電力変換の中心的な素子です。

1個のトランジスタとIC

単体部品として使うトランジスタをディスクリート素子と呼びます。一方、ICでは多数のトランジスタ、抵抗、コンデンサ、配線を一つのチップ上へ作ります。

CPUでは膨大な数のトランジスタが論理演算や記憶を担います。パワー半導体では大きな電圧・電流を扱うために、多数の微細なセルを並列に配置する場合があります。

よくある誤解

  • トランジスタは必ず信号を大きくする:スイッチ、電流源、保護、発振などにも使います。
  • オンなら抵抗はゼロ:実物には電圧降下やオン抵抗があります。
  • BJTとMOSFETは端子名だけが違う:内部構造と制御原理が異なります。

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