半導体の種類とは?――ロジック・メモリ・パワー半導体・センサー

半導体製品を役割から分類し、ロジック、メモリ、パワー半導体、センサーの機能と重視される性能を比較する。

公開 2026/8/28 確認 2026/8/28 読了 9分 入門 執筆: 知識図書館 編集部

この記事の結論

  • 半導体は材料だけでなく製品の役割によっても分類される
  • ロジックは計算、メモリは記憶、パワー半導体は電力制御、センサーは物理量の検出を担う
  • 製品ごとに重視する性能、材料、構造、製造技術が異なる

まず結論

「半導体」と呼ばれる製品は一種類ではありません。何をする部品かによって、ロジック、メモリ、アナログ、パワー半導体、センサー、光半導体などに分類できます。

分類主な役割重視する性能
ロジック計算、判断、制御処理速度、消費電力、集積度
メモリ情報を記憶容量、速度、保持、書換寿命
アナログ連続信号の増幅・変換精度、ノイズ、直線性
パワー半導体電力の変換・制御耐圧、損失、速度、放熱
センサー光、圧力、加速度などを検出感度、精度、応答、安定性
光半導体発光・受光波長、効率、速度

ロジック半導体

入力に対して論理演算を行います。CPU、GPU、マイコン、FPGA、ASICなどが含まれます。

先端ロジックでは、多数のMOSFETを小さな面積へ集積し、高速動作と低消費電力を両立することが重要です。用途専用ICでは、特定処理へ回路を最適化して効率を高めます。

メモリ半導体

情報を記憶する半導体です。

  • DRAM:動作中のデータを高速に読み書きする。定期的なリフレッシュが必要
  • SRAM:高速で、キャッシュなどに使う。1ビット当たりの回路面積は大きい
  • NAND Flash:電源を切っても保持し、大容量ストレージに使う
  • NOR Flash:ランダム読み出しに向き、プログラム格納などに使う

メモリではセル構造、容量、速度、保持時間、書換寿命、エラー訂正が重要です。

アナログ・Mixed-Signal半導体

現実世界の電圧や電流は連続量です。アナログICは増幅、フィルタリング、電源管理などを行います。ADCはアナログ信号をデジタル値へ、DACはデジタル値をアナログ信号へ変換します。

微細化だけで性能が決まらず、素子のばらつき、ノイズ、受動部品、電源、レイアウトが重要です。

パワー半導体

電力を効率よくオン・オフし、電圧や電流を変換します。Power MOSFET、IGBT、ダイオードなどが代表例です。

家電、電源、データセンター、太陽光、産業機器、EVで使われます。Siに加え、SiCやGaNが高耐圧・高周波用途で利用されています。

センサー半導体

光、温度、磁気、圧力、加速度、角速度、音などを電気信号へ変換します。CMOSイメージセンサー、MEMS加速度センサー、磁気センサーなどがあります。

検出素子だけでなく、増幅、補正、A/D変換、通信回路まで同じパッケージやチップへ統合する場合があります。

光半導体

LEDやLaser Diodeは電気を光へ変換し、PhotodiodeやImage Sensorは光を電気信号へ変換します。材料のバンド構造が発光・受光する波長や効率へ影響します。

分類は重なり合う

一つの製品が複数分類にまたがることがあります。例えばSoCはロジック、メモリ、アナログ、通信回路を統合します。センサーモジュールにはMEMS構造と信号処理ICが含まれることがあります。

そのため、分類は「製品の主な役割を理解するための地図」と考えるのが適切です。

次に読む

関連する記事