pn接合とは?――空乏層と電流を一方向へ流す仕組み
p型半導体とn型半導体を接合したときに生じる空乏層、内蔵電位、順方向・逆方向の動作を説明する。
この記事の結論
- n型では電子、p型では正孔が主なキャリアになる
- 接合部には移動できるキャリアが少ない空乏層と内蔵電界が生じる
- 外部電圧の向きで障壁が変わり、電流の流れやすさが変化する
まず結論
pn接合とは、p型半導体とn型半導体を連続して作った境界です。境界付近にできる空乏層が電流を制御し、ダイオード、トランジスタ、太陽電池、LEDなどの基本になります。
p型とn型
高純度のシリコンへ微量の不純物を加えると、電気を運ぶ粒子の種類と数を調整できます。
- n型:自由に動ける電子が多数キャリア
- p型:電子が不足した状態を表す正孔が多数キャリア
正孔は実体の粒子というより、結合に空いた席が移動しているように扱う考え方です。正の電荷を持つ粒子のように振る舞います。
接合すると何が起こるか
p型とn型を接触させると、n型側の電子はp型側へ、p型側の正孔はn型側へ拡散します。境界付近で電子と正孔が再結合すると、移動できるキャリアが少ない領域が残ります。これが空乏層です。
空乏層には動かないイオン化不純物が残り、内部電界と電位差が生じます。この内蔵電界は、電子と正孔が無制限に拡散するのを止めます。
順方向電圧
p型側を高い電位、n型側を低い電位にすると、外部電圧が接合部の障壁を弱めます。十分な電圧になると電子と正孔が接合を越えやすくなり、電流が増加します。
シリコンダイオードでよく言われる約0.7 Vは固定値ではありません。電流、温度、素子構造によって順方向電圧は変わります。
逆方向電圧
p型側を低い電位、n型側を高い電位にすると、空乏層が広がって多数キャリアは接合を越えにくくなります。ただし、ごく小さな漏れ電流は流れます。
逆方向電圧を上げすぎると、ツェナー降伏やアバランシェ降伏が起こり、電流が急増します。降伏を利用する素子もありますが、許容範囲を超えると破壊につながります。
pn接合は一方向スイッチだけではない
pn接合は整流だけでなく、光と電気の変換にも使われます。再結合時に光を出すLED、光で電子・正孔対を作るフォトダイオード、光エネルギーを取り出す太陽電池が代表例です。
よくある誤解
- p型全体が正、n型全体が負に帯電している:通常、各領域は全体としてほぼ電気的中性です。
- 逆方向では電流が完全にゼロ:少数キャリアによる漏れ電流があります。
- pn接合は別々の部品を貼り合わせる:一般には一つの結晶内へ不純物分布を形成して作ります。
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