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ガス給湯器では、
- 16号
- 20号
- 24号
- オート
- フルオート
- エコジョーズ
という表記があります。
最も重要なのが「号数」です。
しかし号数は家族人数ではありません。
1. 号数とは何か
給湯器の号数は概念的に、
水温を25℃上昇させたお湯を1分間に何L出せるか
を示します。
24号なら条件上、
25℃上昇のお湯を24L/min
作れる能力です。
2. 25℃上昇とは
例えば水道水15℃を40℃にする場合、
40 − 15 = 25℃
なので24号なら約24L/minが基準能力です。
3. 冬は24L/min出ない
冬に水道水5℃から40℃へ上げるなら、
40 − 5 = 35℃
必要です。
給湯器の熱出力が同じなら、温度差が大きいほど流量を減らす必要があります。
4. 号数から冬の流量を概算する
給湯能力が一定と仮定すると、
流量 ∝ 25 ÷ 必要温度差
24号で5℃→40℃なら、
24 × 25 ÷ 35 ≒ 17.1L/min
程度。
つまり24号でも真冬は24L/minの40℃湯を出せません。
5. 夏は逆に余裕が出る
給水25℃、給湯40℃なら温度差15℃。
理論上は24号の熱能力でより大きな流量を加熱できます。
ただし実際は給湯器の最大流量・配管・水栓で制限されます。
6. 16号・20号・24号の違い
16号
1か所給湯中心。
単身・小世帯で使いやすい。
20号
シャワー+台所など中程度。
24号
複数同時給湯に余裕。
家族世帯で一般的。
ただし人数より同時に何L/min使うかで決めます。
7. シャワー流量
一般的なシャワーは8〜12L/min程度。
節水型なら6〜9L/min程度もあります。
シャワー10L/min + 台所5L/minなら合計15L/min。
冬に16号だと余裕が少なくなります。
8. 同時給湯
24号でも、
- シャワー10L/min
- シャワー10L/min
- 台所5L/min
を同時に使えば25L/min。
冬は能力不足になります。
給湯器が流量を絞るため、「誰かが台所を使ったらシャワーが弱くなった」が起きます。
9. 熱量から考える
水を温める熱量は、
Q = mcΔT
です。
流量mが増える、または温度差ΔTが増えるほど必要熱量が増えます。
給湯器のBurner出力が有限なので、冬は流量が下がります。
10. 給湯専用
蛇口・シャワーへ湯を供給するだけのタイプ。
浴槽自動湯張り・追い焚きは持たない構成です。
安価で構造が単純。
11. オート
一般に、
- 自動湯張り
- 自動停止
- 追い焚き
- 保温
などを持ちます。
メーカーで定義差があります。
12. フルオート
オートに加えて、
- 自動足し湯
- 配管洗浄
- 入浴検知連携
などを持つ製品があります。
「フルオート」の具体機能はメーカーごとに確認します。
13. 追い焚き
浴槽のお湯を循環させて再加熱します。
新しいお湯を大量追加せず温度を上げられます。
浴槽循環配管が必要です。
14. 高温差し湯
追い焚き配管を使わず、高温のお湯を追加して浴槽温度を上げる方式があります。
追い焚きとは仕組みが違います。
15. エコジョーズとは
高効率ガス給湯器です。
通常のガス給湯器では排気中に捨てていた水蒸気の潜熱を回収します。
16. 潜熱とは
天然ガス等を燃やすと水蒸気ができます。
水蒸気を凝縮するときには潜熱が放出されます。
従来は高温排気と一緒に捨てていました。
エコジョーズは排気をさらに冷やして凝縮させ、その熱も給水加熱へ利用します。
17. 熱効率
従来型よりエコジョーズの方が給湯熱効率を高くできます。
燃料消費量・CO2排出を減らせます。
ただし実際の光熱費差は、
- ガス単価
- 使用量
- 追い焚き
- 待機
で変わります。
18. ドレン排水
水蒸気を凝縮するため、水が出ます。
この凝縮水は弱酸性を示すことがあり、中和後に排水します。
そのためエコジョーズ設置には排水経路が必要です。
19. 都市ガスとLPガス
同じ給湯器でもガス種対応が違います。
都市ガスとLPガスでは、
- 発熱量
- 供給圧
- burner設計
が異なります。
対応ガス種を間違えてはいけません。
20. 石油給湯器
灯油を燃料にします。
寒冷地・給湯量の多い住宅で使われます。
燃料タンク管理が必要。
21. 電気温水器
電気ヒーターで水を加熱しタンクへ貯めます。
構造は単純ですが、ヒートポンプ式エコキュートより電力量が大きくなりやすいです。
22. 壁掛け・据置
壁掛け
省スペース。
据置
地面や架台へ設置。
住宅構造・配管位置で選びます。
23. 屋内設置は排気が重要
燃焼機器を屋内へ設置する場合、給排気方式が非常に重要です。
不完全燃焼・一酸化炭素リスクがあるため、機種指定・施工基準を守ります。
DIYで給排気方式を変更してはいけません。
24. 配管距離
給湯器から蛇口まで長いほど、
- お湯が出るまで時間
- 捨て水
- 配管熱損失
が増えます。
号数を上げても配管中の冷たい水が消える時間は短くなりません。
25. 水圧
給湯器能力が十分でも、元水圧が低ければ流量は増えません。
また、
- Filter
- 配管径
- Shower Head
でも圧力損失が出ます。
26. 冬の配管凍結
寒冷地では配管内の水が凍ることがあります。
給湯器には凍結防止ヒーター等がありますが、
- 電源を抜かない
- 配管保温
- 水抜き
などメーカー手順が必要です。
27. ガス代を考える
給湯は家庭のエネルギー消費で大きな割合を占めます。
効率改善だけでなく、
- シャワー時間
- 節水
- 設定温度
- 浴槽保温
が光熱費へ効きます。
28. 24号が向く家庭
- 4人前後
- シャワーと台所を同時使用
- 冬の流量余裕を重視
など。
29. 20号が向く家庭
- 2〜3人
- 同時使用少なめ
など。
30. 16号が向く家庭
- 単身
- 1か所給湯中心
など。
ただし人数より同時使用量を優先します。
31. 過剰性能になりやすいもの
単身で24号
価格差に対して使い切らない場合があります。
フルオート
自動足し湯等を使わなければオートで十分。
エコジョーズ
使用量が極端に少ない場合、初期費用差の回収が遅くなることがあります。
32. 結局どこを見る?
①冬の給水温度 → ②同時使用流量 → ③号数 → ④追い焚き要否 → ⑤オート/フルオート → ⑥エコジョーズ → ⑦ガス種 → ⑧設置方式 → ⑨配管・水圧
の順です。
給湯器は「4人だから24号」ではなく、冬に何L/min必要かから選ぶと理解しやすくなります。
購入直前チェックリスト
- 号数の意味を理解した
- 冬の給水温度で流量を考えた
- シャワーと台所の同時使用量を見積もった
- 16/20/24号を人数だけで決めていない
- 給湯専用/オート/フルオートを確認した
- 追い焚き方式を確認した
- エコジョーズならドレン排水を確認した
- 都市ガス/LPガスを間違えていない
- 屋内設置なら給排気方式を確認した
- 配管距離・水圧を確認した
- 寒冷地なら凍結対策を確認した
参考資料
- JIS S 2109 家庭用ガス温水機器
- 各ガス給湯器メーカー仕様書