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LED照明では、
- 810lm
- 8W
- 60W形相当
- 昼白色5000K
- Ra83
- 調光対応
などの数字が並びます。
ここで最初に分けるべきなのは、
消費電力Wと明るさlmは別の量
ということです。
8WのLEDが60W白熱電球相当の明るさを出せるのは、LEDの方が電気を光へ変える効率が高いからです。
1. Wは明るさではない
Wは消費電力です。
昔は白熱電球の60W・100Wで明るさを想像できました。
しかしLEDでは同じ明るさでも消費電力が大きく違います。
したがってLEDでは「W」ではなくlmを見ます。
2. lmとは
lm = lumen。
光源から出る光の総量、光束です。
例:
- 400lm
- 800lm
- 1500lm
- 4000lm
数値が大きいほど、光源全体として多くの光を出します。
3. luxとは
luxは面へ届く光の密度です。
1lux = 1lm/m²
1000lmを1m²へ均一に当てれば1000lux。
10m²へ広げれば100lux。
したがって同じlmでも、
- 天井高
- 配光
- 距離
- シェード
で机上の明るさは変わります。
4. cdとは
cd = candela。
特定方向の光の強さ、光度です。
懐中電灯やスポットライトではcdが重要です。
同じ1000lmでも、狭い角度へ集中させれば中心のcdは大きくなります。
5. lm・lux・cdの関係
簡単に言えば、
- lm:全部でどれだけ光があるか
- cd:どの方向へどれだけ強いか
- lux:実際の面へどれだけ届いたか
です。
照明器具を選ぶならlm、作業面の明るさを見るならlux、配光を見るならcdが関係します。
6. lm/Wとは
発光効率です。
lm/W = 光束lm ÷ 消費電力W
例えば800lm・8Wなら、
800 ÷ 8 = 100lm/W
です。
100lm/Wの方が80lm/Wより同じ明るさを少ない電力で出せます。
7. 「60W相当」とは
白熱電球60W級の明るさに相当するという目安です。
現在は本来、W相当よりlmを確認する方が正確です。
例えば60W形相当でも配光が違えば、器具に入れたときの見え方は変わります。
8. 部屋には何lm必要か
必要光束は、
- 部屋面積
- 天井高
- 壁色
- 年齢
- 作業内容
で変わります。
一般照明では畳数別の適用光束目安が使われます。
ただし同じ8畳でも、
- 白い壁
- 黒い家具
- 吹抜け
- ダウンライト
で必要量が変わります。
9. 机上照度lux
一般事務・読書では数百lux程度が使われます。
精密作業ではより高い照度が必要です。
部屋全体を非常に明るくするより、デスクライトで局所照明を追加した方が省エネな場合があります。
10. 色温度K
光の色味を表します。
2700K前後
電球色。
暖かい橙色。
4000K前後
温白色〜白色。
5000K前後
昼白色。
6500K前後
昼光色。
青白い。
11. 色温度が高ければ明るいわけではない
5000Kが2700Kより「明るく感じる」場合はありますが、光束lmそのものとは別です。
同じ800lmでも色温度は変えられます。
12. 用途別の色温度
リビング
2700〜4000K。
ダイニング
2700〜3500K。
勉強・作業
4000〜5000K。
洗面・キッチン
4000〜5000K。
ただし好みや内装で変わります。
13. Ra/CRIとは
演色性の指標です。
物体の色が基準光と比べてどれだけ自然に見えるかを表します。
一般照明ではRa80以上が多く、高演色タイプではRa90以上があります。
14. Raが高いと何が変わる
例えば、
- 肌
- 食品
- 衣類
- 絵
- 印刷物
の色再現が自然になります。
ダイニング・化粧・写真用途ではRa90以上が有利です。
15. Raだけでは分からない色もある
平均演色評価数Raは複数試験色の平均です。
赤の再現はR9など個別指標を見る場合があります。
Ra95でも特定色再現が完璧とは限りません。
高演色を重視する用途ではスペクトル特性も重要です。
16. LEDの光は連続スペクトルではない
白色LEDでは一般に、
- 青色LED
- 蛍光体
を組み合わせて白を作ります。
そのため太陽光や白熱電球とはスペクトル分布が違います。
同じ5000Kでも色の見え方が違う場合があります。
17. 調光とは
明るさを変える機能。
LEDでは、
- 電流制御
- PWM
などを使います。
調光器対応LED電球でないと、既存壁調光器で、
- 点滅
- 異音
- 消灯しない
などが起こる場合があります。
18. PWMフリッカー
PWMではLEDを高速ON/OFFして平均明るさを変えます。
周波数が十分高ければ人には連続点灯に見えます。
ただし低周波や変調率が大きいと、
- ちらつき
- 眼精疲労
- カメラ縞
が出ることがあります。
19. Flicker-Freeの意味
「Flicker-Free」と書いてあっても測定基準が統一されていない場合があります。
気になる用途では、
- PWM周波数
- Modulation Depth
- Flicker Percentage
などの実測値を見ると確実です。
20. 配光角
同じlmでも光をどこへ出すかが違います。
広配光
部屋全体向き。
狭配光
スポット・ダウンライト向き。
裸電球を置き換える場合は配光角が狭いと、天井や壁が暗く感じることがあります。
21. LED寿命40000時間の意味
LED照明では、
40000時間
などの寿命表記があります。
これは必ずしも40000時間で突然消えるという意味ではありません。
一般に一定時間後に光束が初期値の70%程度へ低下するL70などを基準にする考え方があります。
22. LEDより電源回路が先に壊れることもある
LED素子そのものが長寿命でも、
- 電解コンデンサ
- Driver IC
- はんだ
- 熱
など電源回路側が故障します。
寿命はLEDチップだけでなく器具全体で見ます。
23. 発熱
LEDも電気の全てを光へ変えるわけではありません。
残りは熱になります。
LEDは高温で、
- 効率低下
- 光束低下
- 寿命短縮
が起こります。
放熱設計が重要です。
24. 密閉器具対応
密閉型カバーでは熱がこもります。
対応していないLED電球を使うと寿命低下や故障につながります。
必ず「密閉器具対応」を確認します。
25. 断熱施工器具
ダウンライト周囲に断熱材がある器具では放熱条件が厳しいです。
LED電球・器具が断熱施工対応か確認します。
26. LED電球と一体型照明
LED電球交換型
- 電球交換可能
- 器具を長く使える
LED一体型
- 薄型
- 高効率化しやすい
- 光学設計自由度が高い
一方、光源故障時に器具ごと交換になる場合があります。
27. 調色
色温度を変える機能。
- 朝は5000K
- 夜は2700K
など用途で使えます。
ただし最大lmは色温度によって変わる製品もあります。
28. スマート照明
Wi-Fi/Bluetooth/Zigbee等で制御します。
便利ですが、
- アプリ依存
- クラウド依存
- 通信障害
- 製品寿命
も考えます。
照明としての基本性能とは別軸です。
29. 用途別の選び方
リビング
- 十分なlm
- 2700〜4000K
- 調光調色
- Ra80〜90以上
ダイニング
- 高演色
- 暖色
- 食品の赤を自然に見せる
勉強
- 4000〜5000K
- 数百lux
- Flicker少ない
洗面
- Ra90以上
- 4000〜5000K
30. 過剰性能になりやすいもの
高lm
小部屋では眩しい。
Ra98
一般廊下では不要。
6500K
就寝前のリビングでは刺激が強い場合があります。
31. 結局どこを見る?
①必要lm → ②照らす面のlux → ③配光 → ④色温度 → ⑤Ra/CRI → ⑥lm/W → ⑦調光/PWM → ⑧器具対応 → ⑨寿命・放熱
の順です。
LED照明は「何Wか」ではなく、どこへ、どの色で、どれだけの光を届けたいかから選びます。
購入直前チェックリスト
- Wではなくlmを確認した
- lm・lux・cdの違いを理解した
- 部屋面積と必要光束を確認した
- 配光角を確認した
- 色温度Kを用途で選んだ
- Ra/CRIを確認した
- 必要ならR9等の色再現も確認した
- lm/Wで効率を見た
- 調光器対応を確認した
- PWMフリッカーを確認した
- 密閉器具対応を確認した
- 断熱施工器具対応を確認した
- LED寿命表記の意味を理解した
参考資料
- JIS Z 9112 / 照明関連規格
- CIE 演色評価・光測定関連資料
- 各照明メーカー技術資料