単5電池はある。では単6・単7・単8……単何まであるのか?
日本の乾電池の一般名称は単5形までです。単1~単5とAAAAのサイズ、単6という俗称、9V形の内部構造から電池規格の仕組みを解説します。
この記事の結論
- 日本で一般名称として示されている円筒形乾電池は単1形から単5形までである。
- AAAA電池を俗に単6と呼ぶ例はあるが、単6・単7・単8と正式名称が連番で続くわけではない。
- 単5より小さな電池は、AAAA、ボタン形、コイン形など別系統の規格名で存在する。
テレビのリモコンなら単4、時計やおもちゃなら単3。大型の懐中電灯などでは単1や単2。
私たちが普段目にする乾電池には、
単1、単2、単3、単4
という名前が付いています。
では当然、こんな疑問が出てきます。
単5は?
さらに、
単6、単7、単8……と続いて、いったい単何まであるのでしょうか?
結論から言うと、
日本で一般名称として定められている乾電池は「単5形」までです。
単6、単7、単8……と番号が延々と続いているわけではありません。
ところが世界に目を向けると、単4より細い「AAAA」という電池も存在します。
つまり、
「単○形」と「電池そのもののサイズ規格」は別の話
なのです。
ここを掘ってみましょう。
単1~単5はすべて実在する
まず、日本で使われている単1~単5を並べてみます。
| 日本での呼び方 | IEC/JIS | 米国での呼び方 | 高さ | 直径 | 主な用途例 |
|---|---|---|---|---|---|
| 単1形 | R20 / LR20 | D | 61.5 mm | 34.2 mm | 大型懐中電灯、ランタン、ガスコンロなど |
| 単2形 | R14 / LR14 | C | 50.0 mm | 26.2 mm | おもちゃ、ライト、一部の時計など |
| 単3形 | R6 / LR6 | AA | 50.5 mm | 14.5 mm | リモコン、おもちゃ、時計、マウスなど非常に多数 |
| 単4形 | R03 / LR03 | AAA | 44.5 mm | 10.5 mm | 小型リモコン、体温計、小型電子機器など |
| 単5形 | R1 / LR1 | N | 30.2 mm | 12.0 mm | 小型機器、特殊なリモコンなど |
※用途は代表例であり、実際に使用できる電池は各機器の指定に従います。
ここで面白いことに気付きます。
単1から単4までは、
数字が大きくなるほど小さくなる
ように見えます。
ところが単5は、単4より短いものの、直径は単4より太いのです。
つまり「単○」という数字は、現在存在するあらゆる電池を大きさ順に分類するための番号ではありません。
単5電池って何に使うの?
単3や単4なら家の引き出しに入っていても珍しくありません。
ところが、
「単5を使った記憶がない」
という人は多いでしょう。
単5形は米国では「N」、IECではR1/LR1に相当する小型の円筒形電池です。
単4より短いという独特な形をしているため、一般家庭の汎用品というより、小型化したいもののボタン電池では容量などが足りない機器などで使われてきました。
そのため単3・単4ほど身近ではありませんが、単5形そのものは正式に存在する電池です。
では「単6形」はある?
ここからが本題です。
実は世界には、単4(AAA)よりさらに細い乾電池があります。
それが、
AAAA(クアドラプルA)
です。
代表的なAAAAアルカリ電池は、
- 直径:約8.3 mm
- 高さ:約42.5 mm
- 電圧:1.5 V
という非常に細長い形をしています。
単4(AAA)の直径が約10.5 mmなので、それよりさらに細い電池です。
用途としては、
- ペン型電子機器
- スタイラスペン
- レーザーポインター
- 小型ライト
など、細さが重要になる機器に向いています。
日本ではこのAAAAサイズについて「単6形」と表現されることがあります。
しかし、ここには重要な注意があります。
「AAAA=単6形」とは限らない
一般社団法人電池工業会が示している日本の一般名称は、
単1
単2
単3
単4
単5
までです。
AAAAに相当する電池規格そのものは存在しますが、
単1~単5の続きとして、日本の正式な一般名称「単6形」が定められているわけではありません。
したがって、
「単6電池が正式に存在して、その海外名がAAAA」
と理解すると少し違います。
正確には、
AAAAという別の円筒形電池規格が存在し、それを日本で俗に「単6」と呼ぶ場合がある
と考えた方がよいでしょう。
では単7、単8、単9……は?
ここまで来ると、
「AAAAが単6なら、AAAAAが単7なのでは?」
と思いたくなります。
しかし、そうはなっていません。
日本の乾電池の一般名称として、
単7形
単8形
単9形
単10形……
という連番が続いているわけではありません。
つまり、
「単何電池まであるの?」への答えは、正式な日本の一般名称なら単5まで。
ということになります。
単5より小さい電池そのものが存在しないわけではありません。
むしろ世の中には、単5より小さな電池が大量に存在します。
ただし、それらは「単6、単7……」ではなく、別の規格名で呼ばれています。
単5より小さい電池はたくさんある
例えば、
AAAA
があります。
さらに小型化すると、
- LR44
- SR44
- LR41
- CR2032
- CR2025
- CR2016
など、私たちも一度くらい見たことのあるボタン形・コイン形電池の世界に入っていきます。
つまり電池の世界は、
単1 → 単2 → 単3 → 単4 → 単5 → 単6 → 単7 → ……
という一本の物差しで整理されているわけではありません。
円筒形、ボタン形、コイン形、角形など、用途に応じて様々な系統の規格が存在しています。
さらに面白い「9V形電池」の中身
コンビニやホームセンターなどで見かける、四角い9V形乾電池。
これも「単9」ではありません。
9V形です。
なぜ9Vなのかというと、内部に1.5Vの電池を6個直列に接続しているからです。
1.5V × 6 = 9V
となります。
さらにアルカリ9V形電池の中には、単4よりさらに細い円筒形の電池を6本並べた構造のものがあります。
一方、マンガン9V形などでは平たい小さなセルを積み重ねた構造もあります。
外から見ると「四角い電池が一個」なのに、
中には小さな電池が6個入っている。
これも乾電池の面白いところです。
そもそも「単3」の「単」とは何なのか?
では、「単」という文字は何なのでしょう。
電池工業会によれば、「単」は単位電池に由来します。
昔は複数の電池をまとめたものも使われていました。
それに対して、一つの電池として使用するものを「単位電池」とし、その「単」を取って、
単1、単2、単3……
と呼ぶようになりました。
日本で単1、単2などが正式に呼ばれるようになったのは1942年からとされています。
つまり、
「単3=3番目に小さい電池」
という意味ではありません。
海外では「単3」は通じない
さらに「単○」という名称自体が日本独自です。
アメリカでは、
| 日本 | アメリカ |
|---|---|
| 単1 | D |
| 単2 | C |
| 単3 | AA |
| 単4 | AAA |
| 単5 | N |
| ― | AAAA |
となります。
こちらも、
D → C → AA → AAA → N → AAAA
となっていて、まったくきれいに並んでいません。
国際規格ではさらにR20、R14、R6、R03、R1などの記号が使われます。
私たちが普段使っている「単3」という名前は、世界共通の電池サイズ名ではないのです。
結局、単何電池まである?
最初の疑問に戻りましょう。
Q. 単5電池はある?
→ ある。
IEC/JISではR1、米国ではNと呼ばれる。
Q. 単6電池はある?
→ 正式な日本の一般名称として単1~単5の続きに「単6」があるわけではない。
ただし、AAAA電池を俗に単6と呼ぶ例がある。
Q. 単7、単8、単9は?
→ 単○形という日本の正式な一般名称としては存在しない。
Q. では単何まである?
→ 単5まで。
Q. 単5より小さい電池はない?
→ たくさんある。
ただしAAAAやボタン電池、コイン電池など、別の規格名で呼ばれている。
「単○」は電池全部を表す番号ではなかった
単1、単2、単3、単4と並んでいるのを見ると、
どうしても私たちは、
単1 → 単2 → 単3 → 単4 → 単5 → 単6 → 単7 → ……
という規則が存在するように感じてしまいます。
ところが実際には、
単5で終わり。
その先にも小さな電池は存在するものの、別の名前で呼ばれています。
そして海外へ行けば、そもそも単3ですら「AA」です。
普段何気なく使っている「単3電池」という名前。
少し疑問を持って掘り下げてみると、
日本独自の呼び方、国際規格、電池の構造、そして9V電池の中身
まで話がつながっていきます。
こういうところに、身近な雑学の面白さがあります。
よくある質問
単何形乾電池までありますか?
電池工業会が示す日本の一般名称では単5形までです。それより小さい電池もありますが、単6、単7と連番で呼ぶ仕組みではありません。
AAAA電池の正式な日本名は単6形ですか?
単6と呼ばれる例はありますが、単1形から続く正式な日本の一般名称として定められているわけではありません。
更新履歴
- 2026/8/12:単何形まで存在するかを扱う改訂稿へ更新し、規格比較・名称体系・9V形内部構造の図解を追加。
参考資料
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